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「暇なら……。つーか、お前何でサヤカちゃん知ってるの」
何でも何も……。
「前は友達だったから」
セイジも知ってるでしょ。あの話。
どうしてサヤカなの?私をハメようとしてるの?
私は一気に感情が爆発した。
予定外だったけど、仕方ないもんね。
巻くし立てる私に、セイジはポカンとしていた。
何だその間抜け面は!……とは言えなかったけど。
「何か言ったら?」
もはや、喧嘩口調の私に
「何か」
とふざけた答えを言う。
それは『ギャフンと言わせてやる!』って言って、『ギャフン』と言われるぐらい衝撃あるんですけど。
一気に肩の力が抜けた。
「なんだよそれ……」
がっくりうなだれる私に、セイジが冷静に言う。
「ハメるとか、わかんないんだけど。サヤカちゃんと何かあったわけ?」
おや?あれ?えっと……。
「言わなかったっけ」
恐る恐る聞くと、大きくうなずかれた。
痛恨のミス。一生懸命記憶を辿ってみる。
言ってない……。よね。
「…………」
チラッとセイジの目を見る。
大事なこと、言うの忘れてた……と言うより、言ったつもりでいた私。
さて、どこからどう話して、この熱い想いを伝えるべきか。
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