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「……セイジ」
私の質問に答えてね。
「他に女は?」
「いない」
怒らないから、正直に言ってよ。
「じゃあ、一緒に車に乗ってた人は?」
「友達」
何だそれ。
「電話切られた日に、セイジと一緒にいた女は?」
ここはあえて『女』と言ってみる。
「友達」
またかよ!
それは何か?セフレも『フレンド』だから友達って事かい!
私はセイジの腕からすり抜けた。
「ちゃんと……。ちゃんと話してよ。お願いだよ……」
嘘を吐くなら、もっと上手に吐いてよ。10人中11人が『なるほどね!』なんて言っちゃうぐらいの嘘を吐いてよ。
あっさり女といたのを認めやがって。
いや、付き合ってはいないよ。そりゃ、わかってるさ。
だけど、嫌に決まってるじゃない。他の女を抱いた腕に抱かれて、うやむやにされたくないんだよ。
「それを聞いて、ユキはどうするつもり?」
こんな時に、初の呼び捨て。
嬉しいからやめてよ。
「わかんない。そんなの」
そうだ。肝心な事聞いてない。
「セイジは、私の事どう思ってるの?」
これが一番の根になる。
この答え次第で、私の道はほぼ決まるんだから。
きっちり言ってもらおうじゃないか。
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