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「明日早いから、今日は解散ね」
事が終わって少し無駄話をして、間が空いた瞬間に言った。
「泊まりは?」
私は笑って阻止。
どっちにしろ、一回家に帰らないと仕事に行けないでしょ?
私は明日はいつもより早いし。
セイジはわかったよと、私の頭を撫でる。
脱ぎ捨てた服を広い、ゆっくりと身に付けていく。
「じゃ、また」
玄関先で見送ると、そう言って出て行った。
『また』……か。
私は部屋の明かりを消して、空を見上げた。
そして軽くシャワーを浴びて、頃合いを見る。
そろそろセイジが寝た頃かな?こんなタイミング、ズルイかもしれないけど。
私はメールの保存ボックスを開いた。そこには、セイジに送れなかったメールが一通ある。
《私の質問にちゃんと答えてくれなかったね。セイジはやっぱり私の事、そんなに大事に思ってないんだね。今日で終りにしよう。大好きだったよ》
そう付け加えて、また空を見上げた。月が眩しいような気がする。
あの日と同じ満月に、願いを込めていざ、メール送信。
これが私の最後の賭け。
本当の本気だよ。
私は電源を切って、ベッドに入る。
目を閉じながら、もう一つの問題を考えるの。
サヤカとの対決しなくちゃ。いつまでも恨まれてちゃ、おちおち恋愛できないわ。
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