猫の目

そして私はメールを送る

深夜には、サヤカのメールアドレスがリカから送られて来た。

件名には、『ファイト一発』なんて入っていたけど。
ユウイチ情報だって。グッジョブだね。

私はそのアドレスに

〈ユキだけど、久しぶり。元気だった？〉

なんて白々しく入れてみた。
どんな反応が返ってくるのかね。
今の私、少しだけ鬼になってるかもしれないな。怖いものがないんだもん。

しばらくすると、反応があった。

《久しぶり》

その一言だけ。

案外冷静なのか、動揺を隠す為かはわからないけど。

〈結婚したんだってね。教えてよ、ちゃんと。遅れながらもお祝いしたいんだけど、会えないかな？〉

とりあえずは、会うアポを取らなくちゃね。
私はサヤカの顔が見たくて仕方ないんだよ。

《知ってたんだ。会えない事もないけど。お祝いなんていらないよ》

少しだけそっけないけど、予想に反して案外素直。

返信メールを打っていると、またサヤカからメールが入った。

《あの時はごめんなさい。今になってバカな事をしたと思ってるの。許してくれる？》

許す？誰が誰を？
昔の甘い私は、許しただろうね。だけど、私はサヤカを断ち切りたくて連絡したの。

わからないかな。