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「あ……、わかる?」
もっと聞いてと言わんばかりの顔。
他に話ができる人、いないもんね。
あの一件が水面下で広がって、サヤカの周りからは人がいなくなった。
サヤカが自分で広めたんだから、自業自得なんでないの。
10人中10人が、サヤカの行動を否定した結果だもんね。でもそれを、サヤカ自身は気付いてない。
「どんな人なの?」
サヤカから見たセイジは。
「えっとねぇ……」
嬉しそうに話すサヤカ。セイジの事、そんなに好きなんだね。
サヤカから見たセイジは、クールで女に興味ない感じなんだって。
そこが今までの人と違って、すごく惹かれるんだってさ。
私の知ってるセイジじゃないわ。
「へぇ。……私が知ってるセイジと違うんだね」
この一言が宣戦布告。
サヤカの顔色がサッと変わる。
一気に酔い冷めた?
「……何で……」
知ってるのって?
それは偶然なんだけどさ。きっとこれだけは、必然だったと思うわ。
「たまたまよ。……今度は本当にライバルだね。サヤカ」
こっちはもう、最後の賭けになっちゃってるけどね。
私はあのビデオ屋で、サヤカとセイジを見たのを言った。
そして、私とセイジの出会いもね。
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