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「だから、本当に偶然なのよ」
でもサヤカ。
私とあんたは、くされ縁があるみたいだね。しかも男絡みなんて、何て面倒な縁なんだろうね。
「だから……、私と連絡取りたかったの?」
サヤカはグラスを握り締めた。
怒り?悲しみ?
なんだって関係ないわね。
「フェアにいきたかっただけだよ。それに……」
またサヤカにハメられてると、そう思った私がいるから。
「ハメてないのが、今確実にわかったから」
サヤカは私を睨みつけた。あの時の目みたいだよ。
「やっぱり……、やっぱりユキは、私の人生に邪魔だ」
あっそう。
「ここは私が奢るわ」
もうこれ以上、話をする事は無理だろう。最後に吉報をあげるよ。
「私、セイジを突き放してるから。携帯も変えたから、私と連絡は取れないだろうね」
煙草を大きくふかす。
「今がチャンスなんじゃない?」
すごく嫌な女になってるでしょ。これ、素なのか演技なのか、自分でわからない。
「ユキに突き放されて、セイジが傷付いてるとでも言うの?」
私の言葉の意味を、十分理解したみたいね。
「そうだと言ったら?」
サヤカは立ち上がり、何か言おうとしたみたい。
でも怒りが凄いんだろうね。プルプル震えて、何も言わないまま店を出て行った。
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