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『ユキが邪魔』
どう邪魔してるんだろうね。
私がいなかったら、セイジとうまくいくの?そんなのわからないじゃない。
サヤカがいたっていなくたって、セイジは私に本音を言わないし。
「すいませーん。もう一本!」
日本酒を頼む私。
飲みすぎてもいいんだもんね。明日は休みだし。
一人手酌で考えるの。
サヤカはたぶん、セイジの所に行ったはず。サヤカは、体を張るのが得意。
誘われたら、セイジはするのかな。私にしたように、サヤカを抱くのかな。
「嫌だな」
呟いてみても、それを知るすべはないんだ。自分で断ち切ったから。
もしかしたら、セイジとはこれっきりになるかもしれない。
でも、戻って来る予感もある。
予感か願望かわかんないけど、何と無くそんな気がする。
「すいませーん。焼き鳥一人前持ち帰りで」
今日はネコがいる予感がする。
こんな日は必ずいてくれるんだよね、あのコはさ。
代金を払い、店を出る。
ちょっとフラフラしながら、家に向かう。焼き鳥ぶら下げて。
低めのヒール履いて来るんだったな。なんて、呑気に考えてるんだ。鳴らない携帯握り締めて。
意味なく携帯を開く。
うーん。よく見えない。確実に飲みすぎだっつーの。
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