そして私はメールを送る

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揺れる背中に、もよおす吐き気。 私は必死で我慢しながら、セイジの言葉を聞いていた。 言葉って言っても、9割文句なんだけど。 だけど、すぐに来てくれた事が、すごく嬉しいの。 「鍵!」 家の前に着くと、怒ったように言われた。それとは裏腹に、私を支える手は優しい。 鍵を探し当て、鍵穴に刺そうとモタモタしてたら、また怒られた。 「ったく……。しっかりしろよ、バカ」 あ、またバカって言うし。 私は部屋に入ると、テレビを大音量にした。リバースしてるの筒抜けって、嫌じゃない? 「しばしお待ちを……」 そう言って、冷蔵庫からミネラルウォーターのミニペットを手に、トイレに逃げる私。 「全部吐いてこい」 優しかった。 私は吐いてうがいして、水飲んで吐いて。よりによって、セイジがいるのに……。 吐いて泣いてるのか、よくわかんない涙が出てる。たぶん、吐いて泣いてるだけかと思うけど。 なんとか落ち着いて、部屋に戻った。寝室に入って、着替えて横になる。 あ~、具合い悪ぅい。 飲みすぎた……。 化粧落とさなきゃ……。 でもダルい……。 なんて、目を閉じて思う。目を閉じても、何かグルグル回っている。
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