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ハズレ君が熱唱する中、荷物を持ってドアに手をかける。
ハズレ君が『アレ?』って顔をした。
そーいや、今ハズレ君が歌ってる曲、私がリクエストしたんだっけ。ごめんね、ハズレ君。
ハズレ君に軽く手を振り、外に出た。
カラオケから出ると、小道に入った。何か、ハズレ君が追い掛けて来そうで。
リカにメールを送りながら、ゆっくり歩いていた。
ちょっと飲み過ぎたかな……。
歩き煙草なんか滅多にしないが、今日はしちゃえ。人は歩いてないし、なんせ私は酔っ払いだしね。
なんて理由にならない理由をつけ、煙草を手探りで探す。
……あれ?ないなぁ。
立ち止まって、バッグの中をゴソゴソとやる。
ん~、参った。
視界が軽くぼやけてるし、ゴミしか出てこないこのバッグ。
「何を探してるの?」
いきなり話かけられて、ドキッとした。
ハズレ君よ……、来ちゃったの?
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