せめて、[普通]でいい

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――生まれた時から散々だった。 母親は未憂を生んだ後病死し、父親は幼い未憂と姉を施設に預けた。 それから父親に一切会っていない。 会いたいとは思わない。 だけど、運動会や授業参観が来るたびに味わった憂鬱感。 [寂しい]という気持ちを嫌でも知った。  両親が居ない孤独感でぽっかり開いた心の穴。 他人に八つ当たりしてしまった事もある。 それでも、なんとか[普通]の女の子でいられたのは、4歳年上の姉・未和が余るほどの愛情をくれたからだろう。 憧れの象徴である姉。 たった1人の家族である姉。
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