出会い

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
僕の名前は、シオン。男らしい部分は、姉のクオン姉さんに取られた不甲斐ない弟である。 親父は、町で道場を開いている一昔前の頑固者だ。 「シオン、学校に行くよ。」 姉に呼ばれ、そそくさと準備をすませ玄関に急ぐ。 「はいこれ」 姉に手渡されたのは、いつも使っている小柄な二対の木刀だ。 「学校に、行くんだよね?」 「最近、神隠しが増えてて物騒だから親父が、持って行けって。」 姉の背中には、姉愛用の大振りな木刀がかけてある。 「学校まで、競争な。」
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!