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村外れにある井戸まで来て、エデンは深々とため息をついた。
分かってはいたが、実際にこの状況は一時的だという呑気な考えを聞くと、情けなくなってくる。
確かに今までも日照りが長続きし、食料不足になった事はある。
だがそれでも1ヶ月ほどだ。今みたいに2ヶ月も続いてはいない。
「…何かが起きてると思うの、考え過ぎなのかなぁ」
だが妙な胸騒ぎのようなものがして、落ち着かない。なぜこんな気分になるのか、エデンは自分でも分からなかった。
いつまでも考えていても、答えが出る訳ではない。
再びため息をつくと、水を汲み、村に戻ろうと踵を返した。
だがほとんど歩かないうちに、エデンの足は止まった。
いつの間にか見知らぬ男が立っていた。
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