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呆然としているエデンに気づかず、男は話を続けた。
「この世界は間違っている。飢えや貧困があり、それによる蔑み。そこから生まれる人身売買や、窃盗。悪循環だ！これを断ち切るには、一度この世界をなくした方がいい」
ようやく衝撃から戻ってきたエデンは、眉をひそめた。
「何それ？つまり、あなたはこの世界が滅べばいいと思ってるんですか？」
男はゆったりと首を横に振った。
哀れむような眼差しを、エデンに向ける。
「いや。滅べばいい、じゃない。滅ぼすんだ、この私自身で」
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