名もなき勇者の物語

クレディアの村も例外ではなかった。放牧・酪農が盛んな村だが、連日の日照りにより、牛や羊の餌になる草がしなびてしまい、お乳が採れなくなっている。今のところは自分たちの畑でなんとか賄っているが、これ以上続くと、さすがにもたないだろう。毎日大人たちがひそひそとそんな話をしている。少し歩くたびに聞こえてくるその話に、エデンは内心ため息をついた。「よっ！エデン。どうした？しけたツラしてるなぁ」

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