風の道 蒼海の森

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「莉禾急いでよ!」 「わぁかってるよ!ジャージ……。行こっ!」 莉禾は友達と走って教室を出た。 ジャージをはおりながら階段を駆け下りる。 次の授業は体育なのだ。 莉禾の着替えが遅くて、授業に遅刻しそうなのだ。 「ちょっとミヨ待てよ!」 「早く莉禾!」 ミヨが階段の一番下で一度止まった。 莉禾は2階の階段を駆け下りる。 莉禾が最後の階段にさしかかり、莉禾の姿が見えたミヨはまた走り出した。 「あ!ミヨ……」 ミヨに置いて行かれた焦りと駆け下りて来た勢いで、最後の階段の一番上でバランスを崩し、莉禾の体はふわっと浮いた。 ドクンッ!! と、心臓が唸った後、何かが落ちる大きな音がした。 「!?」 階段付近で大きな音がしたのを聞いたミヨは、げた箱で自分の靴を出し、そのまま硬直する。 何の音…? そう思ったミヨは外ばきをその場に落として階段に走った。  
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