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「フン!よく寝ておるわ」
男は布でくるんだ赤ん坊をゆっくり宝水に浸していく。
赤ん坊は完全に宝水に浸った。
「儂らの夢を……叶えておくれ…」
赤ん坊は止まることなく沈んでいく。
とうとう赤ん坊は見えなくなり、水面には奇妙な色と薄れることのない光だけが残った。
「成功…したのでしょうか…」
「今は解らぬ。だか成功したとすれば、じき、この国で戦争が始まる」
黒髭の男は若い男を見て笑った。
「待っておればよい」
「………はい!」
若い男は嬉しそうに返事をした。
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