14人が本棚に入れています
本棚に追加
体育館倉庫裏まで逃げて来た二人。
距離にして、まぁ走って息が切れるぐらいね。
『だ、大丈夫ですか?先輩』
『あぁ、悪いな』
意外と息が乱れていない瞬。
慣れっこなのだろう。
『それで、まひるの事って?』
『あぁ、ちょっと待って下さい』
美香は、予め買っておいたペットボトルのお茶をゴクゴクと喉を鳴らし飲んだ。
プハーと、まひるならやるだろう。
しかし、美香だ。制服のポケットからハンカチを取り出し口を拭いた。
一呼吸置いて美香が口を開いた。
『まひると何かありました?』
『なんで?』
少し不機嫌な顔をする瞬。
『いや、今日、学校に来てないんですよ。まひるが学校休む事なんて今までないんですよ?それに…』
美香は口を濁す。
『それに?』
冷たく問う瞬の表情は少し悲しい顔をしているように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!