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「今時アヒルのパンツかよ」
まひるの脳にその言葉が伝わった時
宙を舞う、華麗なる回し蹴り!
見事! 瞬の腹部へ直撃。
「いてぇ……」
腹部を押さえ、その場へ倒れ込む。
「大丈夫か?」
心配そうに瞬を見つめるのは、やっと登場。椎名 海斗。瞬の親友だ。
瞬ほど、派手さはないが、冷静沈着。こちらもスラリとした長身ないい男。
瞬派と海斗派があるほどの人気っぷり。
そんな瞬を撃退した、まひるに女子からの非難の声が聞こえる。
もちろん、まひるには、そんなの、おかまいなし。
「じゃあな」
詫びる事もなく鞄を担ぎ走って教室へ向かう、まひる。
「遅刻じゃねーかよ」
ふぅと溜息一つ。
授業開始のチャイムは鳴っているのにギャラリーがキンキン騒いでいる。
やっと痛みもおさまったのか、海斗に肩を借り、起き上がる瞬。
「俺、あいつを落とす」
走り去る、まひるの後ろ姿を見ながら呟く瞬。
「マジかよ」
瞬の意外な発言に苦笑する海斗。
「アヒル……覚えておけよ」
ニヤリと何か企む瞬がいた。
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