14人が本棚に入れています
本棚に追加
ゴツンッ!鈍い音が、まひるの悩内に鳴り響く。
「いってぇ」
「浅野、授業終ったぞ。職員室来いよ」
数学教師がパタパタとクラス名簿をあおぎながら教室を後にした。
教室を見渡すとクラスメート達が雑誌を見たり、メイクをしてる女子もいた。
そんな風景を横目に頭をさすりながら職員室へ向かった。
教室を出ると、はい、待ってましたぁ~とばかりにいる瞬派の女子の群れ。
「アンタ、何様? 二階堂先輩になんて事するの?」
色んな香水の香りが混ざり合い鼻が痛くなる。そんな女子の群れが、ジリジリと、まひるを囲み始める。
「……さい」
「は? 何? 聞こえないんだけど?」
まひるは、空気の悪い場所で深呼吸し
「くっせーんだよ! なんだよ。この臭い。鼻が曲がる」
「なんですってぇ~?」
「なんの用だかしらねーけど、話あんなら一人づつにしてくんね? あ、わりぃ、職員室行くんだった。じゃ」
更に敵を増やした、まひるさん。悲しいかな? これでも乙女。
臭い群れを後にし、時折、窓の外の空気を吸いながら職員室へ行く。
アイツは、いい香りがしたな……
フッと思い出される二階堂の香り。
少し微笑みながら職員室のドアをノックした。
最初のコメントを投稿しよう!