新風

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『新チームになって間もないし秋の大会もすぐ始まるしの。お前がどれだけ辛いかよくわかる。だがな逃げることだけはわしは絶対許さんぞ。お前の目の前にある壁をなんとかして崩せ。地味な作業かもしれん。時間が掛かる作業かもしれん。そうして壁を崩した時、お前は人として、野球人として大きく成長しとると思う。お前も沼畑の重要な戦力なんや。』     中本はうれしかった。自分を見てくれる、応援してくれる、そして、重要な戦力だと言ってくれる人がいる。やめずに野球を続けることにした。投げることは出来ないが本職の外野のノックを受けたり、バットはみんなより倍以上、いや三倍、四倍は振った。リハビリのため練習にあまり出れない日も家で黙々とバットを振った。
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