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一死一、二塁。
炎天下の中、汗が滴り落ちる。
国本はマウンド上で汗をぬぐった。
「さすがに辛そうだな。」
中本は国本の胸中を悟った。
そして、バットをコンパクトに振りぬいた。
少しボール気味のストレートを右方向に小柄な体を全身で思いっきり引っ張りあげた。
ファーストの村上が精一杯体を伸ばし真上にジャンプをして捕球を試みるが無情にもボールはライナーで抜けていった。
ボールはライト線を勢いよく転がりフェンスにぶつかった。
途中出場の竹中がクッションボールを処理する間に二塁ランナーの植地が生還し点差を二点に拡げる。
鶴丸、中本は三塁、二塁に進塁した。
流れは完全に沼畑ペースだ。
中本は二塁で控えめながらガッツポーズをした。
ベースカバーに走っていた国本は苦痛の表情でボールを中継から受け取った。
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