カメと亀

流れる景色

　
『サチっ！帰るよぉ～』

友達の声に振り返る。
ポテトをかじりながら、こっちを見ている友達は笑って手を降る。

『……あんた、まだポテト食べてんじゃん。』

冷たく言い放つ私に、ゲラゲラ笑いながら、ポテトを差し出して

『サチがあまりにも自分の世界入ってるからさぁ。邪魔してやった。』

と、悪戯っ子の様な顔で得意気に話した。

『あんたにはかなわないよ。』

ちょっと落ちたような笑いで返すと、なお嬉しそうに笑った。