第一章 『スカウト』

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ある日のことだった。 いつもの用にバイトを済ませクタクタの体で家に帰り、ゆっくりテレビを見ていた時。 『ピンポーン』 チャイムだ。 誰だろうか…? 「ご主人様。お客様が来ましたよ?私(わたくし)が出ましょうか?」 キッチンで料理を作っている介護ロボが話しかける。 「うん。お願い。」 返事をする。 「わかりました。………はーい!今行きま~すっ!!」 そういうと、介護ロボは急いで玄関にでた。 この家の介護ロボット、通称『カイちゃん』。 人間型介護ロボットで性別は♀。 名前は介護の介からカイ。 即座に決めたから適当にだ。 ロボットと言っても差ほど人間とは違いがない。 『水が無理な事』『充電をする事』『心がない事』『結婚ができない事』だいたいの違いはそれだけだ。 え?何でカイちゃんがいるかって? …………確か。…4・5才ぐらいに幼稚園から帰って来たら、家が火事になってて親が亡くなって……。 そして、親戚などからいろいろ所で引き取って貰って、でも、最終的には一人に。 そこで『今は一人で生活している』と知った国から、介護ロボットとお金が届いた。 今はそのおかげで何とかして生きてる。 「ご主人様~!お国の方ですよ~~!」 カイちゃんの声が部屋に響いて来た。 「国の方とはまた珍しい……」 私はボソッと呟いて玄関に行った。
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