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そう思っていると、案の定知り合いの先輩が
「やっぱりお前、サッカー部に入れよ。ポジションは用意しておくし」
と言うが僕の気持ちは全く揺らぐ事無く
「いえ、せっかくなんですけど社会人のチームに入ってるんで、やっぱりお断りします。声掛けてくれただけでも嬉しかったです」
と丁寧に断った。
僕は着替えて学校から帰宅すると、夜ご飯を食べてから今度は社会人の練習に出なければならない。
どちらかと言えば、こちらの方に注力していたので、ハードなスケジュールも苦にはならかった。
ましてや大好きなサッカー。
親も大好きなサッカーならと本来は禁止されている夜間の外出も練習の日だけは認めてくれていた。
僕は夜ご飯をさっさと食べてしまうと、またサッカーの練習着に着替え、練習場に向かった。
練習場と言ってもミニゲームが出来るくらいの公園の広場だ。
自転車を漕ぎ、向かっていると
「浅井君!」
と誰かが声を掛けて来た。
僕が声の方に振り返ると、そこには川嶋祐子という中学時代に付き合っていた女の子がいた。
川嶋は自転車を止めた僕の方へやって来て
「相変わらず社会人のチームの練習に行ってるんだね」
と嬉しそうに声を掛けてくる。
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