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闇…
どこまで行っても果てしない闇が続いている…
ここはある森のなか…
真夜中であるせいなのか、音を立てるものは何もない…
ザァー--
突然、一陣の風が吹いた。
風が止むと、そこには一人の男の子が血まみれで立っていた。
雲が晴れて、下弦の月の淡い光が男の子を照らす。
男の子の漆黒の髪と、同じ色の吸い込まれそうな右目…そして自ら光を発しているような深紅の左目が浮かび上がった…
「…オレは…ただ守りたかっただけなのに…」
そう呟いた少年の瞳は、どこか寂しげであった…
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