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PM5:00
平日のこの時間が僕は最も憂鬱。
理由は、今しがた鳴り響いたチャイムに起因する。
「なぁ、なんで学校来ないわけ?」
来て第一声がそれか。
いつもながら、ドアを開けなきゃよかったと思った。
まあ今この家には僕しかいないんだから、出ないことも可能だけど。
そんなことしたら脳に刻み込むが如く一定のリズムでピンポンを押し続けるに違いないから止めておく。
やりかねない。こいつなら。
招いてないのに図々しくも勝手に家に上がり込むこの男、保田 賢慈(ヤスダ ケンジ)の後ろ姿を見ながら、僕は嫌な担任をもったとため息を吐いた。
「で、なんで来ないの?」
リビングの、テーブルを挟んだ向かい側で。
目が合った途端に言われた。
正直うざいんだけどな…。
何回も何回も。
それしか言えないの?
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