【 七 】

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燃えさかれ業火 小さき我が身を焦がせ焔 その火をもって 愛しき人に伝えよ 町中に打ち鳴らされる   dousyou ≪銅   鐘≫ 方々で泣き叫ぶ叫喚  doushiyou ≪どうしよう≫ 早く出てきて 早く 早く 早く はやく ハヤク   八 八 九 !  watashi ≪ 七 ≫はここよ ここにおります この鐘を聞きつけて この煙を嗅ぎ分けて この炎を掻き分けて 早く私に 私に会いに来てください 黒煙を巻き上げ 城下を不気味な赤に染めていく           sumiyoi つややかな≪墨宵≫を 淫らな煙が濁していく 我が身よりいでし恋の華 あぁ早く 早く 他人の炎に炙られる前に 一目貴方と逢瀬を…… 物語が≪少女≫に魅せたのは 一瞬に燃え上がる 江戸のような儚い灯火  禁忌を犯した女は七  禁忌を恐れた男は三            ~Und~
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