始まりは驚愕とともに

12/22
前へ
/100ページ
次へ
『地球統一連邦政府の諸君、ごきげんよう。 私は火星連合共同体アレスの暫定首長のブラディミル・スミルノフである。 最初に言っておこう、諸君らの搾取を、我々火星の民はこれ以上受容するつもりは毛頭ないということを。 火星時間、四月一日零時零分、ここに宣戦を布告する。』 地球全体が画面から発せられたばかりの情報に凍りついた。 ついに始まってしまった・・・ その気持ちはマティス大佐も変わらなかった。 彼は声が震えるのを抑え、 「全艦に次ぐ、艦載機全機を出撃させ、最初に敵を叩き落とせ!! その後、敵母艦を発見次第攻撃!!」 と指令を出した。 たかが四機のために百機以上の艦隊の艦載機を出撃させるのは普通は有り得ない事である。 しかし、マティスをはじめ各艦隊の提督のような、現場指揮官クラス以上の軍人のみに、情報部が入手したアレスの新兵器の情報が知らされていた。 戦闘機よりも高い機動性、戦車よりも厚い装甲、艦艇なみの火力、これらの要素を備えた人型可変戦闘機。さらにそれを運用する超巨大戦闘空母。 それらの情報を知るマティス大佐は、出来うる限りの最大戦力で敵の出鼻をくじく必要が有ると判断したのだ。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加