6人が本棚に入れています
本棚に追加
静かな部屋にシャワーの音だけが響く。
これも代わり映えしない一つに過ぎないが、ただ違うとすれば、女じゃないってとこ。
俺も実に可笑しなことをしている。連れ込んだのはどこの馬の骨かわからない男。
俺はあの男に何を求めてるのか?
退屈な日常を少しでも変わるならとでも思ってるのか?
「はっ」
たいして期待もしていないのは最初からわかってる。それでもその行動に移した自分自身を鼻で笑った。
「さ、あいつをどうするか…」
整えられ、シンプルにまとめられた部屋にある黒いソファーに身を沈め、煎れたてのハーブティーを口にする。
昼夜逆転している生活を送っているため、暖かいハーブティーが身を落ち着かせる。
けれど、これすらも日常…俺にとっては苦痛でしかない。
"ピンポーン"
鳴ったインターホンを取るまでは。
最初のコメントを投稿しよう!