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誰だ、こんな早朝に…。
いつもなら、無視をしてやり過ごすのだが、重い腰を上げてインターホンのモニターを見る。
クラブの客なら見過ごすところだが、インターホンのモニターに映し出されていたのは、いかにもな派手な柄シャツにスーツ、金のフレームで出来たサングラスをかけた男。
「はい」
関わり合いになった覚えのない男。
ふと、浴室からシャワーの音が消えているのに気づき、俺の頭に一つの考えが過ぎった。
『ちょいとすいませんねぇ、こちらに長身長髪の男が入っていくのを見たんでね・・・かくまわず差し出していただけませんかぁ?』
いかにもな男は案の定、俺の予想通りの台詞を吐き出した。
インターホンはリビングからあのヘタレがいる洗面所がちょうど見える位置に設置されている。
ので、洗面所の方を見てみれば、案の定、頭半分を突き出してこちらを見ていた。
……面白い……
俺は思わず顔が緩み、にやけていた。
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