箱と男

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そんなことを考えながら、俺はいつもどおり、同伴の女と出かけ、店で業務をこなし、店の閉店とともに闇の明ける前の街を何処に寄るでもなくブラブラと歩いていた。 もうじき夜明けだというのに空は真っ暗で大粒の雨が地面を叩きつけていた。 俺は傘も差さずに雨に打たれながら街を歩く。 店の開店時とは違い、静まり返る街には、宿のないホームレスや、酔いつぶれて地面に横たわるサラリーマンの姿がちらほら見えるだけであった。 そんな光景さえすでに日常になってしまった。 うんざりした俺はいつもの帰路に背くようにわざと細い路地に入った。
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