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でも、気付くのが遅すぎた。
このままじゃ心は勝と付き合ってしまう。
今の心には悪いけど、悪あがきをさせてもらう。
昔みたいに笑い合いたいから。
「勝、俺の人生最大の頼み、聞いてくれないか?」
「もちろん。俺はお前の親友だ。どんな頼みだって聞いてやる」
初めて、ではないけど勝の存在に感謝した。
俺は心のお母さんのいる診療所の名前と降りる駅名を書いた。
「明日にでもここへ行ってほしい。そこに心のお母さんがいる。もしかしたら記憶が戻るかもしれない」
「わかった。何か変わり次第連絡する」
今、勝の前で泣きそうになった。
それだけは死んでも阻止してやる。
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