最終章―喜びと悲しみの間で…

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「勝サンキューな。初めてお前がすぐに抱き着く変態で良かったと思えた」 「少し余分な所があるけど、いいや。俺はもう帰るかな」 立ち上がった勝を玄関まで送り、姿が見えなくなるまで外にいた。 変態だけど良いやつ。 最大の敬意のためにずっと立って見送った。 家に戻り部屋に入ると新たな不安が芽生えた。 心が記憶を戻す以前に、今回も目を覚ますかどうかもわからない。 どうして不安というのは尽きないのだろうか? 不安だらけで鬱になる。 もし心に記憶が戻らなければ俺はみんなの前から消えるかもしれない。 付き合った二人を祝福は出来ても仲良く過ごすことは出来そうにないし。 それでも消えた後も楽しく過ごす自信もない。
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