最終章―喜びと悲しみの間で…

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俺は姉さんには報告せずその日をなんとか過ごし、水曜を迎えた。 心のいない登校の時間は相変わらず色褪せている。 体が鉛のように重く学校に行くのも面倒だった。 なんとか学校に着くと心配そうな顔をした怜香が俺の席に座っていた。 「心配してくれるのはありがたいけど、俺の席に座るのやめてくれない?」 「ツッコミを入れる元気はあるんですね。少し安心しました。心ちゃんはきっと目を覚まして、記憶を戻します」 怜香はいつも俺を励ますことを言ってくれる。 どうして事情を知っているのかは知らないけど、すごく助かった。 俺は怜香を席から退かして座った。 確かに心配だけど、俺が心配したって心の記憶が戻るかどうかは変わらない。 ここは開き直って記憶が戻ると信じ、元気に過ごすしかない。 みんなに助けられてばっかりだけど、関係ないや。
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