最終章―喜びと悲しみの間で…

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「お、ちょうど電車来たな。2時間も暇だなぁ」 「ちょ、俺は無視かよ。遥しゃん何か言ってよ」 「あの、触らないでください」 勝のやつかなりショックだろうな。 遥は3歩くらい引いた目で、しかも敬語という必殺コンボ。 ショックのあまり瞬き忘れてやがる。 俺はどこからか取り出したテープを目が開くようにしてやった。 勝はいじられてこそ勝だな。 そして電車に揺られること30分、ようやく勝の意識が戻った。 「なんか、川にふわふわ浮いて気持ちよかった。そしたら急に川が乾いて現実に戻ったんだ」 色々ツッコミ所があるけど、こいつの一人旅だってことで片付けよう。 1時間経ってようやくテープに気付いた勝は乾いた目に目薬を入れまくっていた。 「まだシバシバする。なんでテープが貼ってあったんだろ?」 「さぁ?」 勝をいじるのにも飽きてきたのでそろそろ寝ようかな。
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