4069人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は顔を遠ざけ、心の手を握って椅子に座った。
「どうしてしないの?」
「もしかしたら奇跡が起きるかもしれないのでは?」
「やっぱりチキン王子様なのか?」
「俺はチキンな野郎だ。奇跡が起きるかもしれない、でも起きなかったらその後に残る物が恐いのさ。だから俺はこうして待つだけでいい」
ただひたすら心の目が覚めることだけを願った。
みんなも黙ったまま見守ってくれた。
昼は勝が善意(俺の命令)で買ってきてくれた。
「ただ待つのも暇だな。勝、何か面白いことやれ」
「俺かよ。それなら、一発ギャグを……」
「ちょっとトイレ行ってくる」
「ぉおい!! 無視かよ」
怜香達の笑い声を聞いてトイレに向かう。
今頃一発ギャグやって二人に引かれているんだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!