最終章―喜びと悲しみの間で…

16/29
前へ
/236ページ
次へ
「今、心ちゃん動いたよな?」 俺は後ろを向いていてわからなかった。 他の二人も心が微かに動くのを見たらしい。 俺は不安から数秒遅れたが、ようやく振り返った。 そこには、起き上がって座っている心がいた。 「怜香さん……おはようです」 いや、朝じゃないし。 ってかなんでこんなに冷静にツッコんでだろ? もっと喜べ、もっと嬉しがれよ。 「遥さんと…あなた達は誰ですか?」 あなた達とは俺と勝のこと。 やっぱり記憶戻らないか。 それより勝のことも忘れたのか。 「進さんのことは思い出しませんか」 「し、仕方ないよ。ここ…栗林が目を覚ましたし、俺は帰るよ」 3人はもちろん驚いた。 そして俺は決めた。 もう心とは関わらないと。
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4069人が本棚に入れています
本棚に追加