最終章―喜びと悲しみの間で…

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2時間かけて家に帰りベッドに潜ると涙が出てきた。 泣くのは遥に告白された時が最後だったな。 泣きたくないのに、この前の方がよっぽど悲しいのに、涙が出る。 もう打つ手がない上に記憶がまたなくなったとなれば、もう関わらない方がいい。 俺は一日かけて泣き、夜中には涙も枯れて寝ていた。 朝、目が覚めても体が重く起き上がれなかった。 何時に起きたのか知らない。 何時間こうしているのかも知らない。 結局俺は姉さんが入ってくるまで天井を眺めていた。 「進、もう5時よ? 何やってるの?」 「5時? そんなに経ったのか……」 姉さんが俺の異変に気付き、近寄ると額に手を置いた。
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