きっかけ

3/4
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
……気付いたら私の恥ばかりではないか! 漫画デビューの話しはこのくらいにして、そろそろ小説へと移行するか… (断じて逃げではありません(笑) 高校生の頃の私はかなりの反抗期である。 あまり家には居なく、友人の家を転々とする迷惑者であった。 そんな私でも、祖母の家に行けば静かなもの… 煎茶を呑み、祖母や叔父達の話に耳を傾けていた。 この"ほのぼの"した雰囲気が私の癒やしである。 そして、私が一番好きなのは祖母の家の二階。 ―古びた匂い― ―静かな空気― ―昔のおもちゃ― ―昔の本― この全てが鎮静剤となり、私の心を癒やして行くのだ。 この中にある"昔の本"と言うのは二種類ある。 1つは【漫画】 もう1つは待ちに待った【小説】である。 漫画の事は既に語ったので、今回は外しておこう。 さて、ここいらで少し疑問に思う方がいるかもしれない。 「祖母の家に小説があるのは昔からでは?」 「なぜ今になって?」 この答えは【きっかけ】である。 昔からあって何回も目にしているのは事実。 しかし、"な・ぜ・か"読もうとしなかった… 誰も勧めようともしなかった… これは、まだ私が"この本を読むに値しない"と言うだけである。 人に運命や宿命があるのなら、本を読むべき時もある。 私が本を手にする時は、本が呼んでいるからである。 本とは著者の心であり、ある意味"命"を削り転写した物。 良い本ともなれば味のある雰囲気を出している。 そして、著者の心が本を光らせ私を呼ぶのだ。 【読みたくて探した本】と【気になって手にした本】では質が違う。 私がこの小説と出会いふと手にする瞬間、数ある本の中から一冊が光る。 そして、著者の心が移った魂の本は、私に新たな思考と知恵を授けるのである。 この小説のタイトルは… 【三毛猫ホームズ】 著者は有名作家"赤川次郎"である。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!