本の特性

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しかし、こうも本の良い面ばかりを語ってはいるが、"そうではない部分"があるのも事実……。 これを語らなければ読者に悪影響を及ぼす。 物事には"善悪"があり、本にも同じような事が言える。 これは善悪を感じるのが動物であり、その一種が人間だからである。 本を書くのは人間、著者の感情により文は左右される。 例えば、憎しみや怒りを覚えて書いた文は荒い。 荒いが故に、タブーとされる言葉も書き込んでしまう。 これに影響された者は、間違いを起こす可能性がでてくる。 こうなれば善とは言えない。 ここで私は、良い本を"善本"、悪い本を"悪本"と述べる事にする。 そして、善とも悪とも捉えきれない物を、"普本"と呼ぶ事にする。 さて、先に述べたように、悪影響が出るもの全てが悪本であるのだろうか? 私の答えはNOである。 「悪いのに悪本じゃないの?」 と言われるのは承知。 これには理由がある。 言葉により、人が受ける影響とは人それぞれである。 本の内容が著者の感情に左右されるように、読む側の感情により本の質も変わると言う事。 例えば…… 善の者が悪本を読めば"悪本"として影響され、悪の者が悪本を読めば"善本"として影響する。 このように、読む側の感情により本の質も左右される。 更に言えば…… 善の者が悪本に影響され悪の者になる場合や、悪の者が善本に影響され善の者になる場合などがある。 では、これらを少し解説しよう。 善の者から見た場合、悪本の出来の良さに感動して悪に影響される事がある。 逆に、善本の出来が悪く違和感を感じた場合も、悪に影響されやすくなる。 そうして、悪に影響を受けた善の者は悪の者となり、善本が悪本に、悪本が善本へと成り代わってしまう。 勿論、悪の者が善の者に成り変わる場合も然り。 このように、時として悪影響を及ぼす本が良い本へと変わったりする。 本とは、書き手や読み手により"受け止め方"が変わる性質がある。 これを【本の特性】と私は言う。
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