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「………っし……る…の…」
亜里沙は、うつ向きながら小さく何かを呟く。
あまりの低音に私の耳に入らなかった。
「え?」
聞き返す私に、亜里沙は顔を上げた。
少し、涙が浮かんでいた。
「私ね?引っ越しするの。」
「嘘だろ?」
嘘だ…
亜里沙が引っ越し?
「嘘じゃないよ。家族でおばあちゃんちに引っ越しするの。高校も向こうに転校する。」
驚いた。
今までそんな素振りは見せなかったのにだ。
そんな現実に
ショックでたまらないでいる。
「本当…ゴメンね。」
その言葉にズキリと心の中に激痛が走る。
あぁ…
何故なんだ…
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