はじまり。

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「…そんな恐い顔しないでよ…」 太一がおそるおそる私に言う。 こいつは、男でありながらナヨナヨしていて、おまけにクセっ毛で黒ふちメガネをかけて頭良さそうだし、(頭良いけど)生意気に私より背が高い。 いつも優しすぎてこっちが狂いそうな奴であった。 ちなみにこいつは、軽音楽部で生徒会に入れられたのではなく、 ただの生真面目野郎で先生のお気に入りであったから、だ。 そんなこいつは、いつも私の後ろにいる時が多い。 弱虫だから男子にいじめられる時が多いのだ。 そのたんびに、私が助けてやってるんだ。 全く、 世話の焼ける野郎だよ。
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