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始まり
いつからだっただろう…
あの人とよく目があうようになったのは。
《中学二年生・一月》
もうすぐで、私たちも三年生。
のんきに過ごしている場合ではなく、成績を上げるのに精一杯だった。
「綺~!!今日は外練習で、校舎まわり二十周だって~私死ぬわッ」
ぐったりとした顔で、話かけてきたのが、《杉浦 翠―スギウラミドリ》
この話の主人公、夏川 綺はいつものように他愛もない話をしていた。
「私は長距離好きだし…翠とは違うからッ」
長い手足の綺は、さほど筋肉はついておらず、体の形がきれいだ。
「ほんっと、私とは比べものにならないよねッ。
足の速さも…身長も」
不貞腐れたように話す翠は、身長も低く可愛らしい…きれいな顔立ちの綾とは正反対だった。
「不貞腐れんなッ✨大丈夫!!きっと、身長はのびるからさvV」
こんな会話を
鋭い眼光で見ている
男がいるなんて
気付きもしなかった…
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