名ばかりな神?

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「アイツ―――そろそろやな」 丸いテーブルの真ん中に置かれた少々大きめの水晶玉に映る少年を見つめ、男はどこか寂しそうに呟く。 「そうですね…。では、下の者に手筈を整えさせましょう」 男の後ろに控えめに立ち、体の前で手を組み、女は男の言葉に賛同する。 「宜しゅう頼むわ。…なぁあ?今度はどないなる思う?」 「それは、貴方が御選びになる者によるかと」 女の冷静な返答に、男は振り返らず目だけを後ろへやり、再び視線を水晶玉へと向ける。 「そらそやねんけど…、俺かて人の意見を聞きとーなることかてあるねん」 「その意見は無意味、貴方は人の意見などに耳を傾けない。そうやってここまでやってこられたのに、何故今さら人に意見など求めるのです?」 女の言葉に、男はその時ようやく女の方へ振り返った。 「アカンか?」 振り返りそう問いかける男の表情は、男の声色に反し酷く険しい。 振り返った男に、女は表情一つ変えずに言った。 「私は疑問に思ったことを、率直に御尋ねしただけですが…御気に障りましたか?」 「最後まるで棒読みやんけ」 男は幾分か和らいだ表情で、女を非難する。 .
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