1章

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「貴方が何を書いているのか気になったものですから」 彼女は好奇心旺盛なのかは知らないが、僕の熱中振りの何処に興味を惹かれたのか、僕はその期会を逃すまいと、彼女の問いに正直に答えた。 「君の為の脚本を作っているんだよ」 彼女はその言葉に驚いた様で、やはりしどろもどろになるのだった。 「貴方は私の為のお話しを作って下さると言うのですか?それは何故でしょう?」 それは至極当然の問いだったが、僕はまた正直に答える事にした。 「君が美しかったからだよ。美しいものには詩を書くのが当たり前だろう?」 それを言うと彼女は黙りこくった。美しいと言われた事に照れたのか、それともおっぴろげに言葉を繋いだ僕に面食らったのか。 「君こそ、どうして僕に話し掛けてきたの?僕にはそれが一番疑問でならないんだが」
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