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嫉妬屋上
――――――――――
イルカが女とキスしてた
ムカついた
とにかくムカついた
つか許せねえ
許せるわけねえよ
イルカを屋上に呼び出して、すぐフェンスに突き飛ばした。
ギシャ…と独特の音を立ててフェンスが軋む。
「痛って……カカシっ!何すんだよ!」
何、じゃねーよ
どういうことか説明しろ
「何とぼけてるの?お前、自分がしたこと覚えてないワケ?」
は?、とあたかも何もしてないって顔したって無駄無駄。
俺はこの目で見たんだ。
お前の口から説明してもらわねーと。
説明したからって許す気も無いけど。
「お前、馬鹿?誰も見てないと思ったんだ?」
「はァ?だから何のことだよ、カカシ。」
「とぼけてんじゃねえよ。殺されたいの?」
「チッ…見てたのかよ。」
イルカが罰の悪い顔をした。
「見てた。テメェ、俺ン所(トコ)の担任とデキてたのかよ。」
「は!?んなわけねーだろ!アイツからしてきたんだよ!」
胸倉を掴まれた。
クソが。
「偉そうにしてんじゃねえ。…イルカ、詳しい事聞かせろ」
憎い
俺のイルカに手出すなんて
ぐちゃぐちゃに壊してやる
そう思って、吸血鬼のようにイルカの首に噛み付いた。
「いてぇ…よ!カカシ!」
イルカが俺を引きはがそうとするから、歯を立てて薄い筋肉を挟んでやった。
「やめっ……んぐ…っ」
くぐもった声を出したと思ったら、口の中に鉄の味が広がった。
血が滲んだ所を舌で舐めてやると、イルカの体がビクッとした。
「何?もしかして感じてんの?」
「なっ…ちげーよ。つーか離せ。用がそれだけなら帰る。」
ドンッとイルカは俺を押し退けて屋上から出ていってしまった。
「さて…どーするかネェ…」
まずはあの担任の女を潰すとするか…
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