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「ね、センセ。今日、俺、話したいことあるんだけどイイ?」 イルカとの喧嘩の後、苛立ちに任せ足早に職員室に入り、俺はすぐさま担任のセミネに話し掛けた。 「なぁに?はたけ君?」 甘い声で答えたセミネは、学園のマドンナと呼ばれるような存在だ。 教師陣だけでなく生徒からも色々な意味で人気がある。 プロポーションのとれている体で、顔立ちもすごく整っている、所謂“美女”ってやつだ。 性格は、まあ普通。 だが噂によるとアッチの素行は最低。 己に惹かれた教師、生徒、誰彼構わず手を出しているらしい。 イルカもその一人だと思うと、悔しくて堪らない。 「いや、ここじゃ何となく言いづらいから、放課後…」 「いいわよぉ。仕事を早めに上がって行くわね。場所は?」 足を組んで上目遣いで俺を見てくる。 まるで誘ってるかのように。 うざい。 俺が、お前に気があるとでも思ってんの? お前の手口と素行の悪さは俺にはバレバレなんだよ。 「場所…?」 内心酷く毒づきながらも、少し首を傾げて言ってみる。 「考えつかないならいいわ。これ、私の車の鍵。車の中で待っててよ。帰り送っていくし。」 そう言ってセミネは俺の右手に鍵を握らせた。 「じゃ、放課後…あざっす。」 怪しまれないように、さも俺がセミネに気が有るように見せ掛ける照れ笑いをしながらセミネと離れた。 その後は普通に授業を受け、HRを終えた。
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