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ゆっくりと進む電車に揺られる
揺られながら、唯一の兄の文也から届いたメールに目を通した
『駅で待ってる。夜は親父とメシ食いに行こう』
自然に微笑みそうになって慌てて頬を引き締める
無気力なアナウンスがもうすぐ駅に到着することを告げた
『もう駅に着きそうだ』
そう送った時、電車が止まった
開いた扉から普通に出ようとして車掌に呼び止められる
「お客さん、切符」
ここで渡すのかっ!!!
「すみません…」
切符をズボンのポケットから出して渡す
「ぎゃははっ!」
後ろからゲラゲラと数人の笑い声が聞こえた
げ、田舎の不良かよ…
「ダッセーな!!一樹っ!」
え…?
「ぶ、ブン兄!?」
久しぶりに会った兄貴は
すっかりヤンキーになっていた…
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