1703人が本棚に入れています
本棚に追加
あの日から俺を知る者との接触が全くできなくなった。
過去の回想を終え、味の薄い卵焼きを最後の一口にした。
いつものようにテレビを見ながらベッドに横になる。
そしていつものように深い眠りにつく。
気が付くと夕日が窓を通して俺の目に入っていた。
――もうこんな時間か。
・・・今日は何かおかしな夢を見た。
俺が僕口調になり、俺に話しかけているという。
普段あまり夢を見ない俺だが、この時は不思議な感じがした。
まあそれが夢というものだろう。
再びテレビを見ながら時間を過ごしていると、母さんに続いて父さんも帰ってきた。
姉は今日も深夜まで遊ぶらしい。
朝と同じように、誰もいなくなってから夕飯を食べていると、ある考えが浮かんだ。
――・・・もしかしてあの事故は・・あいつらが図ったのか・・・?
よく考えてみると決定的に矛盾している点がある。
事故が起きる直前に声をかけられたはずなのに一時間後に発見された。
先生が見つけるまで放置されていたのなら、声をかけたやつは見過ごしたわけか。
先生が見つけた、つまり一時間後に発見されたということは俺の体が証言している。
なぜなら・・・30分前に見つかっていたのなら後遺症はほとんど残らなかったはずだからだ・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!