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学校では全てが久しかった。
制服や教室、・・・そしてあの目線。
俺は憎悪がみなぎり、今にも叫びだしそうだった。
放課後、例の計画の最終段階となる物を探し出した。
教室の担任の机にある生徒の情報が詰まったファイルを・・・
ここのクラスの担任は忘れ物が多く面倒臭がりなので、忘れ物があっても帰り間際まで来ない。
したがって俺は今ノートに生徒の情報を写しているのだ。
さすがに成績表は職員室のようだ。
しかしここに転勤してきたばかりのうちの担任は常に生徒カルテを持ち歩いている。
無駄話をするが、本当の担任の野口は春に結婚をし、妊娠をしている。
更に職員全員がクラスを受け持っているため、教育実習を終えたばかりの新米・・・つまり石橋がその場しのぎとして派遣されたのだ。
ちなみに事件の時に俺を見つけた担任は後者である。
よし、ノートに書き写し終わった。
窓を見ると紺色とオレンジが混ざったような空の下にはぽつぽつと明かりが見えていた。
早く帰らなければ、担任の石橋が来てしまう。
「・・・あれ?・・・そんなところで何してるんだ?」
男性にしては暗く高い声がドアの方から聞こえてきた。――やばい・・・!
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